ストレスケア

仕事によるストレスから精神障害に至った労災請求が増加。認定を迅速に行う必要が高まっている。
判断基準として、「心理的負荷による精神障害の認定基準」(2011年12月)が定められた。さらに、2020年6月にパワーハラスメント防止対策が法制化され、パワーハラスメントのできごとが「心理的負荷評価表」に追加された。

目次

ストレスとは?

  • ストレッサー(ストレス要因)…ストレスとなる刺激。
  • ストレイン(ストレス反応)…外部からの刺激による心身の反応。

セリエの汎適応症候群

生体は、物理的、科学的、生物的、心理社会的な4つのストレスにさらされると、共通した身体反応を呈する。この身体反応には、自律神経の働きの影響が大きい。
この刺激にさらされ続けると、刺激に対抗しようとして、生体に一定の反応が起こる。全身に起きる反応を「汎適応症候群(全身適応症候群)」という。これには、以下の3段階の症状がある。

  • 警告反応期…当惑状態。ストレッサーへの抵抗力が増加(反ショック期)
  • 抵抗期…抵抗力が強まり、ストレッサーと均衡が取れている。生体の反応も比較的安定。
  • 疲はい期…ストレスに耐えきれず疲憊し、体温や免疫力が低下、体重の減少が起こる。

ストレッサーの種類

  • 物理的ストレッサー…外界からの刺激(寒冷、騒音、振動、混雑など)
  • 化学的ストレッサー…化学物質による刺激(薬物、毒物、コーヒー、アルコールなど)
  • 生物的ストレッサー…感染症、細菌、アレルギー物質など。
  • 心理社会的ストレッサー…社会的刺激(人間関係、家庭問題、仕事上の問題など)

ストレス反応

  • 心理面…抑うつ(気分の落ち込み、興味・関心の低下)、イライラ、不安
  • 身体面…体の痛み、頭痛、肩こり、腰痛、動悸、息切れ
  • 行動面…飲酒・喫煙量の増加、仕事でのミス、ヒヤリハット増加

ストレスとうまく付き合うための方法(コーピング)の工夫が求められる。

コーピング

腹式呼吸法

深呼吸によって、呼吸数や心臓・肺への負担を減らすことで、身体がリラックスし、結果、自己効力感やストレス耐性が高まる。

自立訓練法

シュルツ開発。
時間をかけて訓練して身につける、誘導に反応しやすい場合など行わない方が良いこともある。
自己暗示によって心身のリラックスを図り、自律神経を整える方法。

筋弛緩法

意識的に筋肉を緊張させて、その後脱力させる。

バイオフィードバック法

心拍数や筋肉の緊張などをデータで測定し、その数値をコントロールすることで、改善を図る。

 豆知識

ホームズとレイ
ストレスの程度を客観化し、数値化した。また、喜ばしいできごともストレッサーになりうるという考え方を打ち出した。反面、ストレスを受ける個体の要因が考慮されておらず、その点には批判も向けられた。

ラザルス
重大なライフイベントより、「日常生活で生じる些細な不快な苛立ち」の方がストレッサーとして大きい。

フラストレーション(欲求不満)と防衛機制

心理社会的ストレッサーからくるストレスの中で、「思い通りにならない」「希望とは違う」「どちらかしか選べない」などの葛藤状態を「フラストレーション(欲求不満)」という。
このフラストレーションから身を守るために、「心の安全装置」の働きをするものが、アンナ・フロイトが発表した防衛規制である。

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